SE™(ソマティック・エクスペリエンシング®)のトレーニングを修了しました
うつ・自律神経専門整体院、たくや整体院院長の藤嶋です。
先日、3年間に及んだSE™(ソマティック・エクスペリエンシング®)のトレーニングを無事修了いたしました。
トレーニング中は長期で整体院をお休みにしたりと、ご利用下さっている方々にはご不便をおかけしてきました。
そのお詫びも兼ねて、今回は3年間にわたる学びの過程と、SE™(ソマティック・エクスペリエンシング®)についてをこの場でお伝えしていきたいと思います。
※ソマティック・エクスペリエンシング®だと長いので、以下SE™と略字で記させていただきます。
そもそも、SE™って何?
まず『SE™って何?』という素朴な疑問が、多くの方の頭に浮かんでいると思います。
世の中には様々なカウンセリングの方法がありますが、SE™もそのひとつで、様々なトラウマに対してとても高い実績を上げている方法なのです。
そのSE™を開発したのが、アメリカの心理学者・神経生理学者のピーター・ラヴィーン博士(肖像権の関係で写真の掲載は控えます)。
画期的だったのが、トラウマを受けた出来事ではなく、そのとき身体の各神経に起こったことにフォーカスを当てた点です。
野生動物は、どんなに命が脅かされるような場面に遭遇しても、それがトラウマになることはありません。
それは、そのような場面に遭遇しても、その場面から逃げる…あるいは戦って切り抜けるという、身体全体を使ってその時湧き起こったエネルギーを、しっかり解放させているからなのです。
本来人間も彼らと同じ生き物の一種のはずなのですが、大脳が発達しすぎたのがかえって災いとなってしまい、このエネルギーの解放がうまくいかなくなってしまうことがあるのです。
たとえば、何らかのストレスを感じても『ここで争っちゃいけないよな』とか『今は我慢しなきゃ』というように、ストレスに対して意味付けをしてしまうのです。
もちろん、適切な社会生活を営むためには、四六時中闘っていたりワガママに振る舞ったりなどは出来ません。
ただ、脳の抑制が強くなりすぎてしまい、本来解放できるはずのエネルギーを抑え込んでしまうことが多く、それがその人のトラウマへと発展していってしまうのです。
SE™の優れた点は、思考ではなく身体に現れる反応や、そこに伴う感情などにフォーカスを当て、より安全に(ここ、とても重要です)トラウマを解消させていくことにあります。
少し長くなりましたが、SE™がどのようなものか、少しでもご理解いただけましたでしょうか。
トレーニング参加が決まった年に現れた、あいつ…
今回のSE™トレーニングは2021年からのスタートですが、その前年の2020年には僕も参加が決定していました。
ところが…みなさん覚えてらっしゃいますか?
2020年は、世界が一変したあの新型コロナが蔓延しだした年なのです。
本当に開催されるのか…?と危惧されましたが、幸い現代ではネットでつないでの『オンライン』というのが可能。
なので、2021年の初級はオンラインでのトレーニングということで無事スタートしました。
バックボーンが違い過ぎる…
ところが実際に参加してみて、改めて気付かされたことがあります。
『僕は超マイノリティじゃん。しかも…』
トレーニングの参加者は50名を超えるのですが、その大半が臨床心理士など心理系を本職とした方々。
他にはドクターや看護師もいますが、整体師は僕一人…(苦笑)。
まぁ、マイノリティな環境は、ある程度そうではないかな…と思ってはいました。
ただ、参加される方々の知識量がものすごいんですよね。
そりゃそうです、皆さん心理系をしっかり学んで日々実践している方々なのですから。
僕も所属している勉強会で、基本的なことは学んできましたが、明らかにバックボーンが違いすぎます。
さて、どうしようか…と思い、ふと気付きました。
知識量やバックボーンで追いつかないのであれば、僕の身体で体験して感じていけば良いのでは…。
SE™を日本語に直訳すると『身体の体験』。
SE™のトレーニングでは、経験豊富なアシスタントが学びをサポートしてくれています。
そしてトレーニング中は、各レベルに応じた個人セッション(アシスタントに実際にカウンセリングを実施してもらうもの)と、コンサルテーション(今診ているクライアントの今後の方向性についての相談)を受けるのが必須となっているのです。
セッションを数多く受けて、理論とともに自分の身体で感じていって、それを自分の血肉に変えていけば…と思ってからは早かったです。
初年度は、セッションに次ぐセッション…
初年度の初級では、セッションを受けられる方も比較的多いので(中級・上級に上がっていくにつれて、提供できるアシスタントの方が少なくなってしまうのです)、ここぞとばかりにセッションを受けまくりました。
その数なんと、初級の1年間で、のべ11回!
ほぼ、月に1回のペースです(苦笑)。
まだコロナ禍の期間でしたが、対面でのセッションを提供してくれる方でしたら可能な限り出向き、ひたすら受けまくりました。
以下、全てではありませんが、セッションを提供して下さったアシスタントの方とのツーショットです。
いずれもコロナ禍を象徴するようにマスクをしていますが、コロナが5類に移行してからはこのようにノーマスクでもセッションを受けさせてもらいました。
そして、仲間との練習会…
ただ、セッションを受けているだけでは実力が伴ってきません。
そんな中、一緒に学んでいる仲間とも、時間をみて練習会を行ってきました。
学んで、自分の身体で感じて、そして練習会で実践を重ねて、おそらく少しずつ実力が伴ってきた頃…。
ついに今年、初の対面での上級トレーニングがスタートしました。
対面での得難い学びだった上級トレーニング
当たり前ですが、やはりオンラインの画面より、対面でその場の空気感や相手の存在感を感じて、そして足の先まで相手の身体が見られる環境だと、学びも深まります。
そして、上級は主にクライアントへの『タッチセッション』がメインの学び。
SE™はカウンセリング手法のひとつですが、必要に応じてクライアントの身体へ直接触れてのセッションも行うのです。
先日の上級の最後のトレーニングでは、僕自身がタッチセッションをアシスタントの方から受けて、さらに講師であるペドロ・プラド先生のデモまで受けてきました。
残念ながら写真を掲載することは出来ませんし、具体的に何が起こったのか言葉にすることも正直難しいです(もしご興味がある方は遠慮なく僕にお申し出下さい)。
ただ、自分の身体にたしかに何か大きな変化が起こったのは感じられましたし、ちょっと大げさな言い方ですが、生まれ変わったような感覚にもなりました。
上級にして改めて、SE™の持つ大きな可能性を感じて、3年間に及ぶトレーニングを修了しました。
修了証及び認定書、そしてさらなる学びへ…
最終日には、上級の講師であるペドロ先生とその配偶者でもあるプラド先生から、修了証を授与されました。
そして、それを受けてSEP(SE™のプラクティショナー…つまり、正式にSE™を提供できますよ…という認定書)の申請を行い、先日正式に認定されました。
これを書いている時点では、岩手では初のSEPとなります。
ただ、SEPの認定を受けたからそれで終わりというわけではありません。
まだまだ学ぶべきことは、いっぱいあります。
これからもさらに学びを深めて、色んなトラウマでお悩み方のためになるよう、精進していきます。