当院のカウンセリングについて

当院では、うつや自律神経失調症からの回復のために、カウンセリングを重視しています。

というのも、うつや自律神経失調症の中には、身体への施術だけではどうしても解決できない心の問題も潜んでいるからです。

そのような方でも、適切にカウンセリングを行っていくことによって、そういった心の問題にも気付きやすくなってくるのです。

 

当院で行うカウンセリングは、『Somatic Experiencing®』(ソマティック・エクスペリエンシング。以下SE™と表記します)がベースになっています。

SE™って、なに?

SE™は、アメリカの心理学者・神経生理学者のピーター・ラヴィーンが作り上げた、トラ
ウマのケアに対するカウンセリング手法です。

創始者のピーター・ラヴィーン
創始者のピーター・ラヴィーン氏

大きな特徴は、トラウマとなった出来事に焦点を当てるのではなく、その出来事が起こっ
た時に身体に何が起きたかに焦点を当てていくということです。

人間である前に、生き物であること

人間は他の生き物に比べて、大きく脳が発達してきました。

そのためにここまで発展してこられたのですが、引き換えに、生き物が本来備えていた『生きるための本能』というものが、働きづらくなってしまっているのです。

 

人間も、他の野生動物も、自分の身に危険が迫ったときに起こる反応は、実は同じなので
す。

それは『戦う』『逃げる』『凍りつく』の3つ。

野生の世界では、通常は食べられてしまう立場の弱い生き物は『逃げる』という行動を取
りますが、追い詰められたら生き延びるため『戦う』という行動を選択することもありま
す。

『凍りつく』ことによるメリット

『凍りつく』というのは、一見、生き延びることを放棄して諦めてしまったように感じるかもしれませんが、実はこの行動も、生き延びようとするための神経がフルに働いているのです。

この状態のときは、一見逃げるのを諦めてしまったように敵には見えるので、相手の油断を誘うことが出来るのです。

そうすると、一瞬生じた隙をついて逃げたりすることも可能になってくるのです。

発達した脳が、却って本能を邪魔する

野生動物は危機に陥ったとき、この『戦う』『逃げる』『凍りつく』を、本能に従って選
び行動していきます。

そのため、命の危機から脱したときも、それがトラウマとなって残るようなことはありま
せん。

ところが人間は、脳が発達し過ぎてしまったことがかえって災いして、自分の身に起きた危機に対して無意識に『意味付け』をしてしまったり、社会性を守ろうとして過度な『抑圧』をしてしまったりするのです。

解放されずに残ってしまったエネルギー=トラウマ

危機に対して『戦う』『逃げる』という行動をすることで、身体の中に発生したエネルギ
ーを外に出し、危機を乗り越えるという大きな目的を達成できます。

『凍りつく』という選択も、野生動物の場合、危機から脱したとき身体を大きく震わせるような行動をして、結果的にエネルギーを放出させることにつながります。

 

それとは逆に人間の場合、意味付けや抑圧などをして『戦う』『逃げる』という行動を取
れないでいてしまうことが多いのです。

『凍りついて』しまった場合も、危機の際に発生したエネルギーを閉じ込めてしまっている
ことが少なくありません。

その閉じ込めてしまったエネルギーが、トラウマとなって残ってしまう原因でもあるので
す。

SE™によるカウンセリングの進め方

SE™によるカウンセリングを進めていく上での大原則は、『安全に』ということです。

トラウマになって残っているエネルギーは、出来事の大小にかかわらず膨大です。

それを一気に解消させようとすると、神経にとても大きな負担をかけることになります。

その結果、トラウマを解消させようとしたカウンセリングが、新たなトラウマとして身体
に残ってしまうこともあります。

 

そのため、SE™でカウンセリングを進めていく場合は、安全がまず最優先されるのです。

また、カウンセリングによって起こる変化も、大きなものでなくて構わないのです。

起こす変化は、ほんの少しだけの方が、かえって良いのです。

『思考』ではなく『感情』や『感覚』、『身体に起こる反応』を重視

トラウマとして残ってしまった原因のひとつは、人間らしく意味付けしてしまう『思考』
です。

そのため、SE™でのカウンセリングを進めていく場合、あまり思考は使わないように進め
ていきます(まったく使わないというわけではありません)。

 

むしろ重視するのは、自然に湧きおこる『感情』や身体の『感覚』、自然と出てくる動き
のような『身体に起こる反応』の方です。

そのようなものこそ、解放されずに残ってしまったエネルギーだからです。

自分の感情や感覚が分からなくなってしまった方は…

様々なストレスがトラウマとなって残ってしまった方の中には、自分の感情や感覚が分か
らなくなってしまった方も少なくありません。

ただ、そのような方でも、SE™によるカウンセリングを進めていくやり方は、大きく変わ
りません。

感情や感覚が分からなくなってしまった方は、『凍りつく』という状態から抜け出せなく
なっているだけなので、より慎重によりゆっくりと進めていくだけなのです。

私たちの身体は生きていくため、常に変化しています。

心臓の動きやそれに伴う血液の流れ、呼吸の深さ、筋肉の緊張や緩み、内臓の動き…。
いずれも身体の中や外に起きた、何らかのものを感じたために起きた反応なのです。

そういった自分の身体に起こっているものに、少しずつ気付いていくことにより、徐々にご自身の感情や感覚が分かってくるようになるのです。

当院でのカウンセリングを受けた方のご感想

カウンセリングを受けた29歳の盛岡にお住いの女性
29歳/盛岡にお住いの女性

・カウンセリングを受けようと決断された決め手は何でしたか?

運転中に呼吸のしずらさを感じたり、トンネル内で酸欠になるようなことがあった。
仕事で緊張する場面があると、胸が苦しくなり、次第に動悸・頻脈の症状があらわれるよ
うになり、パニック障害と診断された。
家のそばでもあるため、すがる思いでたくや整体院に来た。

・当院でのカウンセリングは安心して受けられましたか?

初めてのカウンセリングは、いっぱい泣きました。
辛かったこと、誰かに聞いてほしかった事、全部たくや先生は受け止めてくれました。
回数を重ねるごとに自分のことを知れたり、悩みと向き合うようになれたりしていると思
います。
迷っている方は、ぜひ受けてみて下さい。
誰にも言えないことでも、言ってみると心が軽くなると思います。

・カウンセリングを受けたことによって、どのような変化が現れましたか?

人間関係での悩みをそのままにせず、自分の気持ちに素直になって考えることができるよ
うになってきました。
話している時にのどがしまる感じ(熱くなる感じ)がある時は泣きたいサインを体が出して
いることも知ることができました。
今は少しずつパニック障害の症状もおさまってきています。
急がず、元気な自分に戻れるよう通っていきたいです。

 

 

講師のペドロ&パウロご夫妻と撮った写真
講師のペドロ&パウロご夫妻と撮った写真